「人生100年時代」が近づくこんにち。

長い老後をどのように過ごすかは、人それぞれ色々な想いがありますよね。

夫婦で仲良く旅行や趣味を楽しむ方もいれば、セカンドキャリアで新たな仕事に就く方や、さらには大学に社会人入学される方まで、まさに十人十色でしょう。

筆者が以前、証券会社に勤務していたときのお客様も、まさにみなさんそれぞれの老後のプランをお持ちでした。

当時、60代のみなさんから資産に関するご相談を多く受けてきましたが、みなさん、ある「共通した悩み」をお持ちでした。

それは……

「はたして私たちは老後にいくら必要なのか」

ということです。

「老後2000万円問題」が大々的に取りざたされていた頃でしたので、心配なさるのも無理はなかったように思います。

そんな筆者の経験も踏まえ、今回は、65歳以上の無職世帯にフォーカスを当てていきます。シニア世代の「貯蓄平均」は2000万円を超えているでしょうか。

「65歳以上世帯」には、どのくらいの貯蓄があるのか

まずは、「65歳以上の世帯」にフォーカスしていきたいと思います。総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、高齢者世帯の貯蓄事情について見ていきましょう。

「世帯主が65歳以上の世帯」貯蓄現在高階級別世帯分布

(二人以上の世帯)-2020年-

  • 100万円未満:7.9%
  • 100万~200万円:4.0%
  • 200万~300万円:3.5%
  • 300万~400万円:3.7%
  • 400万~500万円:3.3%
  • 500万~600万円:3.8%
  • 600万~700万円:3.4%
  • 700万~800万円:3.2%
  • 800万~900万円:2.9%
  • 900万~1000万円:2.5%
  • 1000万~1200万円:5.7%
  • 1200万~1400万円:4.5%
  • 1400万~1600万円:4.5%
  • 1600万~1800万円:3.1%
  • 1800万~2000万円:3.3%
  • 2000万~2500万円:8.3%
  • 2500万~3000万円:6.4%
  • 3000万~4000万円:8.7%
  • 4000万円以上:17.3%

平均値:2324万円
貯蓄保有世帯の中央値:1555万円

この分布をみると、約59.3%の世帯が2000万円を超えていないことがわかります。多くの方が、老後資金に対する不安を感じているのは自然なことかもしれません。