お金を「育てて」老後に備える

前述の通り、無職世帯の貯蓄の種類別貯蓄現在高のうち、67.1%が預貯金でした。「日本人は預貯金が大好き」としばしばいわれますが、この7割弱という割合は、その「好み」を如実に表した結果であるといえそうです。

日本銀行「資金循環の日米欧比較」中で示された「金融資産合計に占める現預金の割合」は、アメリカが13.7%、ユーロエリアが34.9%、日本が54.2%。ここでも、日本人の預貯金好きの傾向を見て取ることができます。

かつて預貯金には、10年程度預けると資産が倍になるほどの高金利がついた時代もありました。しかし、現在の預貯金の金利は、仮に1000万円を10年預けたとしても、子どものお小づかい程度の利息しか期待できません。

そこで、老後を見据えて資産を育てていくには、「資産運用」という視点が必要でしょう。

実際、金融庁「人生100年時代における資産形成」によると、日米の家計金融資産増加率は1998年からの20年間で米が2.7倍、日本が1.4倍となっています。

このうち、運用リターンによる要因がアメリカが2倍、日本が1.2倍になっています。アメリカほど運用リターンの恩恵を日本が受けられていないことがわかります。

「老後2000万円」に関わらず、ご自身のセカンドライフをより安心して楽しむために、資産運用への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。