「平均」だけでは、見えない部分
先ほどから見てきたとおり、60歳以降・無職世帯の純貯蓄額をみると、いずれの年齢区分においてもその平均額は2000万円以上で推移していることが分かりました。
かつて金融庁のレポートをきっかけに話題となった「老後2000万円問題」。平均額だけをみると、この「2000万円」ををキープしています。
また、世帯主の年齢を「65歳以上」「70歳以上」「75歳以上」に区分した純貯蓄額を見ても、その減り具合は意外に緩やかであるといえるでしょう。
とはいえ、これらはあくまでも全体の平均です。60代であれば、定年退職金が入ったことでいっきに貯蓄額が上がった世帯もあるでしょう。逆に70代以上であれば、既に貯蓄の切り崩しフェーズに入っている世帯も多いはずです。
今回は詳しく触れませんが、実際の貯蓄額分布を見ると、100万円未満の世帯から4000万円を超える世帯まで、大きな幅があることも分かります。
また、60歳以上・無職世帯のうち「負債保有世帯」のみに絞ると、貯蓄額は1630万円、負債は641万円(うち、住宅・土地のための負債:498万円)となり、全体平均からは大分乖離していることが分かります。(※同調査 第8-23表)。
著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)