Aさんは今の職場で定年後も継続雇用してもらえそうですが、今のところ妻は継続雇用を希望しておらず、定年後をどう過ごすか検討中なのだそう。定年後、いかに長く収入を得るかが老後のやりくりに与える影響は大きいので、ここは慎重に検討したほうがよさそうです。
老後の住まいをどこにするか?
一方、老後の支出を考えるうえで大きなポイントとなるのが、どこに暮らすかということです。
50代東京在住のBさんは「夫婦2人だけで暮らしていくにしても、どちらかが要介護状態になったらもう一方が介護するのか、それとも子どもに介護してもらうのか。また、夫婦2人で高齢者向け施設に入るのか。2人とも働いているから老後もなんとかなるだろうと、何も具体的なことは考えないままここまで来てしまった」と話します。
Bさんの友人の中には、何かあったときに不安だからと老後は持ち家を売りに出し、そのお金で子どもの家の近くにマンションを買って住み替えるという人もいるのだそう。ただ、もしそうするのであれば、住宅ローンの返済、家の査定、住み替えるマンションの費用などについて慎重に調べ、考えなければなりません。
また、高齢者向け施設に入るにしても入居費用の工面ができるかという問題があります。Bさん夫婦は長く共働きだったようですが、妻であるBさん自身は契約社員としてのキャリアが長く、現状では退職金は期待できないと言います。
「高齢者施設の入居費用についてもっと早くチェックしておくべきだった。4つ年上の夫の定年後に改めて高齢者施設のパンフレットを眺めてみたけれど、予想以上に高額な入居費用が必要だった。長男とは結婚に反対してから疎遠になったし、長女も九州で暮らしているから何かあったときにどうすればいいのか」と肩を落としていました。
共働きといえども、雇用形態や勤務先の規定によって退職金がないケースもあるため、そのことを考慮した老後資金計画を立てることが必要になってきます。