経営者はアップデートしているか
社員に求められるものも、経営者に求められるものも変わってきています。
元日経コンピュータ編集長の木村岳史氏が以前コラムで「経営者は無能か職務放棄か、『技術で勝ってビジネスで負ける』日本企業のDXの末路」と題して、現在の経営者を一刀両断していました。
技術開発では先行しながら、製品化やサービス化で後れを取って外国企業に敗れる。あるいは製品化でも先行したものの、後発の外国企業にあっさりと逆転される。近年、頻発するこのような“技術で勝ってビジネスで負ける"現象は、経営者としての無能ぶり、あるいは職務放棄ぶりを表していると、同コラムでは断じています。
さらに同コラムから。
「いくら画期的な新製品や新サービスであっても、担当者に“初年度は赤字だが、翌年度に黒字化を目指す"なんて事業計画書を書かせているようでは話にならない。経営者が新技術や、それを使った製品/サービスの可能性を見抜き、ビジネスモデルを磨かせて、経営リスクを取ってそれなりに投資しなければ、そんな経営判断ができる経営者がいる外国企業に勝てるわけがないのだ」。
まあ、これは世界を相手に戦う大企業の話ですが、企業の規模は違っても、多くの企業でいえることかもしれませんね。ビジョンやポリシーがあって決断のできる経営者にアップデートしないと、現在では通用しないということです。
冒頭の知人の話に戻ります。「まあ、そんなわけで、そろそろ転職しようかな」と思っているそうです。もしかすると、そのように思っている人も、世の中には結構たくさんいるのかもしれませんね。
参考資料
経営者は無能か職務放棄か、「技術で勝ってビジネスで負ける」日本企業のDXの末路(2021年5月10日付、日経クロステック)
榎本 洋