「経営者の視点で考えろ」の歴史

少し気になって、「経営者の視点で考えろ」の歴史を検索してみました。多分、昭和の伝説的な経営者の言葉などが出てくるような気がしたのですが、予想は的中でした。

パナソニック創業者の松下幸之助氏が、かつて「社員は社員稼業の社長」と言っているそうです。

氏の著書から引用します。「自分は単なる会社の一社員ではなく、社員という独立した事業を営む主人公であり経営者である、自分は社員稼業の店主である、というように考えてみてはどうか」(『社員稼業』まえがきより/PHP研究所)。

そのように、上司や同僚も「お客様」「お得意先」と考えて働く方がアイデアも出てくるのではないか。それが自分のためにも会社のためにもなるのではないかということです。

ただ、この話と冒頭から書いている「経営者の視点で考えろ」は、微妙にニュアンスが違いますよね。

なにか最近の「経営者の視点で考えろ」は、「うちの経営者のために働け」=「滅私奉公」という印象を受けてしまいます。やはり「上から目線」を感じてしまいますよね。

あと別の角度から言えば、“古き良き時代だなぁ"という印象もあります。社員の立場に徹して働くことが、自分にも会社にもプラスになるというのは、確固とした大きな方向性がある場合ですよね。

現在のように全てが暗中模索の時代には“ムリでしょ"としか思えません。