こうして見てみると、やはり「老後2,000万円問題」が世間を騒がせた理由がよくわかります。上記の中央値※では、60歳代、70歳代でも2,000万円には程遠く、老後資金に対して焦りや不安を感じている人が多いのも納得です。

※データを小さい順または大きい順に並べた際に真ん中にくる値

貯蓄がうまくいかない理由

では、お金が思うように貯まらないのはなぜなのか。大きく4つの理由が考えられます。その対策とともに見ていきましょう。

1. 目標金額が明確でない

勉強でもスポーツの練習でも同じことが言えますが、「目標を明確にする」のはとても重要です。

「お金を貯めなきゃいけないのに、お金が貯まらない」と言っている人に「目標金額は?」と尋ねると、「目標金額っていうか、老後のために…」とぼんやりした返事がかえってくるのはよくあること。しかし、貯金の意思はあっても、このままではなかなかお金が貯まらないことでしょう。

対策としては、当然ですがまずは目標金額を決めることです。老後のために2,000万円貯める、と考えると目標が大きすぎてモチベーションを保ちにくくなるので、「まずは100万円」など取り組みやすい金額で目標を設定してみましょう。

その100万円が貯まったら次の目標に向けてまた頑張ればいいのです。目標金額を達成することで自信がつくはずです。

2. 貯蓄に対する意識が希薄

「お金を貯めなきゃ」というのは頭でわかっていても、普段からそう意識していないと、節約することをつい忘れてしまったり、出費をコントロールできなかったりします。気が緩んで無駄遣いをしては後から自己嫌悪、なんて経験のある人もいるのではないでしょうか。