「人生100年時代」の足音が聞こえるいま。私たちはさまざまな生き方を選べる時代となってきました。

国立社会保障・人口問題研究所の調査では、2040年には単独世帯が4割に増えると予測されています。

さらに「人生の3分の1が老後」となることを考えると、漠然とした不安を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

さて、そんな「老後の命綱」ともいえるのが公的年金(国民年金・厚生年金)ですね。

では、国民年金と厚生年金は、具体的にいくらくらい受け取れるのでしょう。意外と知られていないかもしれません。

そこで今回は、厚生労働省年金局の「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、国民年金と厚生年金、それぞれの受給額を男女別に見ていきましょう。

国民年金は「いくら」受け取れるか

まずは、自営業・フリーランス・専業主婦(主夫)などのみなさんが受け取る「国民年金(老齢基礎年金)」の受給額から見ていきます。

国民年金 平均年金月額

全体平均:5万5946円

  • 男子平均:5万8866円
  • 女子平均:5万3699円

国民年金の場合、性別による受給額の差はわずかです。しかし、ひと月の生活費をまかなうことを前提にした場合、非常に少ない金額であると感じた方は多いでしょう。

ただ、この平均額だけでは 「どのくらいの人」が、「毎月、いくら」受け取っているかは見えてきません。

そこで年金事情のリアルに迫るべく、「年金月額階級別老齢年金受給権者数」をもとに、受給額の分布を確認していきます。

国民年金【男子】年金月額階級別老齢年金受給権者数

  • ~1万円未満:1万2693人
  • 1万円~2万円未満:6万803人
  • 2万円~3万円未満:22万1983人
  • 3万円~4万円未満:70万6206人
  • 4万円~5万円未満:134万5582人
  • 5万円~6万円未満:312万4529人
  • 6万円~7万円未満:849万4551人
  • 7万円以上:38万1323人

国民年金【女子】年金月額階級別老齢年金受給権者数

  • ~1万円未満:6万6247人
  • 1万円~2万円未満:24万4695人
  • 2万円~3万円未満:74万63人
  • 3万円~4万円未満:226万4161人
  • 4万円~5万円未満:336万406人
  • 5万円~6万円未満:454万1337人
  • 6万円~7万円未満:598万7227人
  • 7万円以上:144万306人

国民年金受給額のボリュームゾーンは、男女ともに「6万円~7万円未満」です。

ちなみに、国民年金の年金保険料(1万6610円)は一律です。また、20歳から60歳までの全期間保険料をおさめた場合に満額(6万5075円)を受け取ることができます。 (カッコ内はいずれも令和3年度の月額)

仮にご夫婦ともに国民年金のみを受給する場合、満額を受け取れた場合でも、世帯の年金月額は約13万円です。多くの世帯で、老後資金をしっかりご自身で準備しておく必要がありそうです。