いわゆる「第3号被保険者」が年金を増やすには?

では、配偶者が会社員や公務員の場合はどうでしょう。

実は、「第3号被保険者」は、国民年金基金や国民年金の付加年金制度を使えません。第3号被保険者の方であれば、まずはiDeCo、そして民間の個人年金保険などを活用しながら、私的な年金をつみたてていくことを検討するとよいかもしれませんね。

配偶者が「国民年金」「厚生年金」どちらの加入者でも使える制度

ここからは、配偶者が国民年金・厚生年金、どちらに加入しているケースでも活用できる「専業主婦(主夫)が年金を増やすための制度」について、お話ししていきます。

①iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)

拠出した掛金を、自分で運用して「自分で年金を作る」ための、私的年金制度です。掛金を60歳になるまで拠出し、投資信託や定期預金などを毎月積み立てていく形式です。

掛金とその運用益との合計額を、60歳以降に受け取ることができ、運用益は非課税です。また、掛金全額が所得控除の対象となりますので節税のメリットを受けながら、年金資金を積み立てていくことができます。

②民間の「個人年金保険」

払い込んだ保険料に応じて、老後に年金を受け取ることができる保険商品です。一定の条件を満たした場合、保険料は個人年金控除の対象となりますので、節税しながら年金資金をつみたてていくことも可能です。

個人年金保険は、払い込み方法や受け取り期間にさまざまなタイプがあるため、ちょっとわかりにくい部分もあるでしょう。活用を検討される場合は、ファイナンシャルアドバイザーなど、お金の専門家に相談しながら進められるとよいかもしれませんね。

「働いて厚生年金に入る」選択肢も、アリ。

やや話は飛躍しますが、専業主婦(主夫)が年金を増やす手段として「仕事をして厚生年金に加入する」という選択肢も一つの道といえるかもしれません。

夫婦の働き方は、現役時代の世帯収入だけではなく、老後の年金収入にも影響を与えます。

2022年10月からは、厚生年金に加入するパートタイマーの条件が拡大されます。老後に受け取れる年金額を増やしたい場合は、頭の片隅に入れておいてよいかもしれません。

厚生年金に加入すれば、老後の年金受給額は増えます。ただし、年金保険料が給与から天引きされますので、手取りは減ります。また、稼げば収入は上がりますが、税負担も増えます。

こうしたメリット・デメリットを念頭におきつつ、ご家族に合うライフスタイルや働き方を探していきたいものですね。