日本の年金制度は、「2階建て方式」などと呼ばれます。その1階部分に当たるのが「国民年金」、2階部分にあたるのが「厚生年金」です。

国民年金は、日本に住む20歳から60歳のすべての人に加入義務があり、厚生年金は、会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入します。

老後に国民年金だけを受給する場合、厚生年金を上乗せで受け取る場合に比べると、受給額が「少なめ」ではあることは確かといえるでしょう。

今回は証券会社でファイナンシャル・アドバイザーとしてお客様の資産運用に携わってきた私の視点から、国民年金の受給額を増やす工夫や、老後のお金の解決策についてお話ししてまいります。

「国民年金とは」ねんきん制度の基本

国民年金は年金制度のベースとなるため「基礎年金」などとも呼ばれます。

さきほども触れたように、国民年金は、日本に住む20歳~60歳未満の全員に加入義務があります。そして、受給資格を満たした場合(※)、原則65歳から老齢基礎年金を受給することができます。

(※)保険料納付済期間と保険料免除期間などを合わせた「受給資格期間」が10年以上必要です。

厚生労働省が発表した「令和3年4月末現在 国民年金保険料の月次納付率」によると、当月の月次納付率は76.8%。(月次納付率とは、本来年金保険料を払うべき月数に対して、実際に払った月数の比率を指します。)

年金の「基礎部分」であれば100%近い納付率となりそうな気もしますが、実際のところはそうでもなさそうですね。

国民年金「受給額」はどのくらい?

国民年金保険料を、20歳から60歳までの全期間(480カ月)納めた場合、65歳から満額の年金を受け取ることができます。令和3年(2021年)度の国民年金の満額支給は月額6万5075円です。

保険料を納めていなかった期間がある場合、その月数に応じて受給額が減ります。

自営業や専業主婦(夫)の方などで、国民年金「だけ」を受け取る予定の場合、ちょっと少なめだな…と不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、ここから先は、国民年金の受給額を「少しでも増やす」ためにできることをお話ししていきます。