金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年(2020年)調査結果」によると、「老後のひと月当たり最低生活費」は世帯主が60歳代で28万円、世帯主が70歳以上では31万円となっています。およそ30万円、といったところでしょうか。

シニア世代の実感であるこの金額を、毎月の公的年金だけでカバーできるご家庭は、そう多くはないことは確かであるといえそうです。

豊かな老後を送るためには、やはり「若いうちからできる、お金の対策」を考えていく必要がある、といえるでしょう。

「お金に働いてもらう」発想

「人生100年時代」が近づく今、私たちの老後は思いのほかに長くなる可能性があります。

元気に長寿をまっとうできればそれは嬉しいことですが、やはりその分「老後資金」は多く必要になりますね。

そこでぜひ視野に入れていただきたいのが、「お金に働いてもらう」という発想、つまり資産運用です。

これまで預貯金オンリーで資産をお持ちだった方には、ちょっと「とっつきにくい」イメージがあるもしれません。

「投資は元本保証がないから怖い」「一度に大きな金額を運用に回すほど余裕はない」

こうした理由で資産運用のスタートに二の足を踏んでいらっしゃる方も少なくないでしょう。

国の税制優遇制度である「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)を活用して、少額からのつみたて投資を検討されるとよいかもしれませんね。

資産運用は運用期間が長ければ長いほど、リスクが軽減し、リターンが安定します。また、複利の効果で資産が大きく育つことも期待できます。

超低金利が続くいま、銀行などの預貯金だけで資産を保有した場合、利息はほとんどつきませんので、お金を増やすことには繋がりにくいといえます。

そんないまこそ、資産運用でお金を育てる発想にシフトする好機であるともいえそうです。

「ご自身に向いた金融商品や運用スタイルを、どう選べばよいか分からない・・・」

そんな悩みは、ぜひ、お金のプロにぶつけてみましょう。解決策に向けたヒントを見つけるきっかけになるかもしれません。

参考資料

鶴田 綾