公的年金は、貯蓄とともに老後の暮らしを支える大切なお金です。
いささか紋切り型の定義でしたが、実際に「2019年 国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省公表)によると、高齢者世帯の48.4%が「公的年金や恩給のみ」で生活していることが分かっています。
多くのシニア世帯にとって、公的年金はいわば「老後の命綱」とでもいうべき大きな支えでしょう。
では、はたらき盛りのみなさんは、ご自身が将来受け取る年金額の目安を把握されていますか?老後、実際に受け取る年金額には個人差があります。現役時代の働き方や収入、年金に加入していた期間などに左右されるからです。
とはいえ、長い老後を見据えた資金計画を立てる上で、今のシニア世代がどのくらいの年金をもらっているのかを知ることは、大いに参考となるでしょう。
そこで今回は、公的年金の受給額を男女別に比較しながら見ていきます。
年金制度のキホンをおさらい
まず、「2階建て構造」などとも呼ばれる日本の公的年金のしくみをおさらいしておきましょう。
公的年金制度は「2階建て」構造
1階部分「国民年金」・・・日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務
2階部分「厚生年金」・・・公務員や会社員などが「国民年金」に上乗せして加入
老後に受給する年金は?
受給資格を満たしている場合に受け取れる年金は以下の通りです。
国民年金のみに加入していた人…「老齢基礎年金(1階部分のみ)」
厚生年金に加入していた人…「老齢基礎年金(1階部分)」+「老齢厚生年金(2階部分)」
次では、現在のシニア世代が、国民年金・厚生年金をどのくらい受給しているかを、男女別に見ていきます。