年金額を増やすには…

老齢年金の受給開始は「原則」65歳からですが、この受給開始を遅らせる「繰下げ受給」の制度を利用することで、将来受け取る年金額を増やすことができることをご存知でしょうか。

2021年7月現在の繰下げ上限年齢は70歳。仮にこの70歳で年金受給を始めた場合、年金額が42%増額されます。

さらに年金制度改正法により2022年4月には、繰下げ年齢の上限が75歳まで引き上げられます。この場合の増額率は84%となります。

増額率は月単位で「繰下げ月数×0.7%(0.007)」が適用され、その増額率は一生涯変わりません。下のグラフのようなイメージになります。

※日本年金機構HPを参考に編集部作成

40%以上も年金額が増えるのであれば…と考えてしまいますが、厚生労働省のデータによると、実際のところこの制度を利用しているのは1%程度のようです。

年金を繰下げてしまえば、当然その間年金は受け取ることができなくなります。いったん繰下げ申請をすると、取り消しや変更はできません。繰下げしたからといって、長生きできるかというとそうでもありません。

そう考えると年金額は増やしたいけれども、受け取れる時期まで遅くなるのは困るな…という人が大半なのかもしれませんね。