コロナ禍で長引く自粛生活。

外出する用事が減った分、今までなかなか手が回らなかった「家の中の整理」などがはかどった方も多いでしょう。

おうち時間が今まで以上に多くなったいま、老後に向けての「お金のこと」も、ゆっくり考えてみてはいかがでしょうか。

さて、現役引退後のメインの収入となるであろう「年金」を、皆さんはいくら受け取れるか把握できていますか?もし、イメージしていた金額ではなかった場合、早めに対策を取ることができれば安心ですよね。

私は以前、生命保険会社に勤務し数多くの老後のお金のご相談を受けてきました。今回はその経験もふまえ、老後に受け取る年金額を「最大で42%まで」増額することができる「繰下げ受給」の制度についてお話ししたいと思います。

年金はどのくらい受給できそうか

本題に入る前に、まずは将来受け取れる年金額がどのくらいになりそうか、現在のシニア世代を参考にみていきましょう。

日本年金機構のHPによると、令和3年(2021年)度(月額)の年金額は以下となります。

国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万5075円

厚生年金※(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):22万496円


※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

引用:日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」

 

国民年金については、保険料納付済期間が480カ月(40年間)である場合に満額受給することができます。

また厚生年金は国民年金に上乗せする形で報酬比例の年金を支給する制度となりますが、平均的な収入として夫婦2人分で約22万円という結果を見ると、セカンドライフは年金生活で悠々自適な生活を…というわけにはなかなかいかないかもしれませんね。