働き続けるシニアを後押しする制度が整いつつあります。
キャリアや経験をいかして働き続ける人、家族や友人とのゆったりしたひとときを大切にしたい人・・・・・・。
60代以降のライフスタイルは、今後よりいっそう多様化してくることでしょう。
さて、現役世代の中には、「定年後も働き続ける?」「働き続けるとしたら、何歳頃まで?」といった漠然とした疑問を持たれる方も多いはずです。
そして、「それもこれも、お金次第なんだよなぁ・・・・・・」
思わずそんな本音が漏れてしまった、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、いまのシニア世代の貯蓄事情について「無職世帯」と「働く世帯」を比較しながら見ていきましょう。
総務省が先日公表した、最新版の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」を参考にしていきます。
シニア世代「無職世帯」と「働く世帯」の比率
では、総務省統計局が2021年5月に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」より、「無職世帯」と「働く世帯」の世帯数分布(1万分比)を確認します(※)。
(※)ここでは、高齢者(60歳以上の者)がいる世帯を1万としています。
世帯主が60歳以上:9168世帯
- 無職世帯:5775世帯
- 無職世帯を除く勤労者以外の世帯:1220世帯
- 勤労者世帯:2173世帯
世帯主が65歳以上:7446世帯
- 無職世帯:5473世帯
- 無職世帯を除く勤労者以外の世帯:947世帯
- 勤労者世帯:1026世帯
世帯主が70歳以上:5469世帯
- 無職世帯:4405世帯
- 有業世帯:1064世帯
世帯主が75歳以上:3220世帯
- 無職世帯:2838世帯
- 有業世帯:382世帯
まず、世帯主が65歳以上の世帯では、世帯主が60歳以上の世帯と比べて「働く世帯」の比率がガクッと低下していることがお分かりいただけるかと思います。
ちなみに、「無職世帯」が占める割合は、60歳以上で62.9%、65歳以上で73.5%、70歳以上で約80.5%、75歳以上になると88.1%まであがります。
働くシニアを後押しする制度は整備されつつありますが、現時点では60歳~65歳の時期を「引き際」として選ぶ人が多いといえそうです。
65歳の年金受給スタートを区切りにする方もいるでしょうし、体力面でそろそろ限界が・・・・・・、といったケースもあるでしょう。
次では、65歳以上世帯の貯蓄状況をながめていきます。