「共働き世帯」の割合が増えていますね。

令和2年版厚生労働白書によると、その割合は平成元年から平成31年の間に、42.3%から66.2%まで増加しています。(※男性雇用者世帯のうちの割合)

一方、専業主婦世帯は、減少の一途をたどっており、2019年時点では、全体の約30%という結果に。

私は以前、生命保険会社でマネーセミナーの講師やマネープランニングのアドバイザーとして、約1000人以上のお客様のご相談を受けてまいりました。

さまざまな年代の方とお話しさせていただく機会がありましたが、特に専業主婦のみなさんからは「老後に国民年金しか受け取れないので、とても不安…」という声を多くうかがってきたものです。

そこで今回は、専業主婦(夫)の年金のしくみや、厚生年金・国民年金の受給額の違いに触れながら、専業主婦(夫)の方が年金を「増やす」方法をお伝えしていきます。

専業主婦(夫)と「年金」のしくみ

専業主婦(夫)の年金を積み立てるパターンは、配偶者が加入する年金制度によって異なります。以下、かんたんに整理していきましょう。

配偶者が国民年金に加入している場合(自営業・フリーランスなど)

家計から主婦(夫)の国民年金保険料を捻出する必要があります。

配偶者が厚生年金に加入している場合(会社員・公務員など)

「第3号被保険者」と呼ばれ、国民年金保険料の納付義務はありません。

この場合、主婦(夫)の年金保険料は配偶者が加入する年金制度が一括して負担します。実際には年金保険料を納めていませんが、老後、専業主婦(夫)は老齢基礎年金を受給できます。

「サラリーマン」が受け取る厚生年金の平均額は?

ここでいったん視点を変えて、会社員や公務員などの第2号被保険者がどのくらい厚生年金を受け取っているのかを見ていきます。

厚生労働省年金局の「令和元年度 厚生年金・国民年金事業の概況」から、最新の厚生年金の平均年金月額を抜粋します。

厚生年金保険(第1号)

平均年金月額…14万4268円

  • 男子 16万4770円
  • 女子 10万3159円

男性と女性では約6万円の差があります。厚生年金の場合、現役時代の年金加入状況や収入が受給額に反映されますので、実際の受取り額には個人によってかなりの差が生じます。

「専業主婦(夫)」が受け取る国民年金の平均額は?

では、フリーランスや自営業者などの第1号被保険者、そして、専業主婦(夫)など第3号被保険者がどのくらいの国民年金を受け取っているのかを見ていきましょう。引き続き、同資料より平均年金月額を抜粋します。

国民年金

平均年金月額…5万5946円

  • 男性 5万8866円
  • 女性 5万3699円

原則20歳から国民年金保険料を納付して、60歳まで全期間納めた場合には、満額(※)の国民年金を受け取ることができます。ちなみに令和3年度の国民年金の満額は、月額6万5075円です。

国民年金の平均受給額は、この満額には達していませんが、男女ともに5万円台となっています。