特例給付の廃止 約370億円の財源に

それでは、今回の改正の対象者を具体的に見ていきましょう。

対象外となるのは、下記が条件です。

  • 世帯合算は導入せず、主たる生計維持者の所得で判断
  • 年収1200万円以上の者への特例給付を廃止

※子ども2人と年収103万円以下の配偶者の場合。扶養人数に応じた所得額は政令で定める。

児童手当の削減は、2022年10月支給分から適用されます。

これにより、約61万人(全体の4%)の児童に影響、約370億円が削減されると試算されています。

この特例給付の廃止をめぐっては、さまざまな意見があります。

そこで次に、立憲民主党の要望も見ていきましょう。

高所得者の特例給付「復活」を要望

立憲民主党は2021年5月31日、「子ども総合基本法案」を衆議院に提出しています。子育てや出産の支援などを担う「子ども省」の設置や、先述した特例給付の「復活」などがポイントです。

このなかで立憲民主党は、「親の年収にかかわらず、全ての子どもが支給を受けられるよう特例給付の一部廃止を復活」することを求めています。

また、「高校生の方が食費も塾代もお金がかかる」という声を受けて、高校生まで手当の支給を延長することも盛り込みました。

立憲民主党の山井和則議員は「児童手当の高校生への支給については、現時点では1人あたり1万円を軸に検討している。ふたり親家庭への児童扶養手当の新設、ひとり親家庭向けの給付の増額を検討している」と述べています。

所得の多い少ないに関わらず、子育てをする全世帯に一定の支援を求めていると言えるでしょう。