2025年1月24に厚生労働省より公表された「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から1.9%の引上げです~」によると、2025年度の年金額は法律の規定に基づき、2024年度の年金額から1.9%引き上げられます。
公的年金の支給額は、物価や賃金の変動を反映して調整され、毎年4月分から新しい金額が適用されます。(6月支払分から支給)
この調整は、法律に基づき、物価変動率や名目手取り賃金変動率などの経済指標を用いておこなわれます。
今回は、公的年金制度の概要や60歳~90歳以上までの厚生年金と国民年金の平均受給月額を見ていきましょう。
1. 国民年金と厚生年金のしくみ
まずは、国民年金と厚生年金のしくみを紹介します。
日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金保険」の2階建て構造です。
1.1 国民年金とは
国民年金は、原則として20歳以上から60歳未満のすべての方が加入します。
20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付していれば、月額6万8000円(2024年度)を受給できます。
国民年金は毎年度見直され、保険料は一律です。
1.2 厚生年金とは
厚生年金は、会社員や公務員などが加入する年金です。
年金額は、現役時に得た総賃金等によって異なります。
公的年金制度は所得再分配機能を果たしています。
厚生年金保険は総賃金等が高いほど負担する保険料は高くなる一方、給付については現役時代の賃金水準ほどの差はつかないしくみです。