つみたてNISA・iDeCo「併用できる?」
では、この「つみたてNISA」と「iDeCo」は併用できるのでしょうか。
この問いに対しての答えは「イエス」です。
つみたてNISAとiDeCoを併用することで、「運用益の非課税」と「毎年の所得控除」という二つのメリットを享受しながら、効率よく資産を育てていくことにつながります。
さきほども触れたとおり、つみたてNISAの非課税期間は20年と限られています。そしてiDeCoは原則60歳までは払い出しができません。
こうした特徴をふまえたとき、「老後資金」という目的が決まっていればiDeCo、それ以外の目的で引き出す可能性があれば「つみたてNISA」といったように、ニーズに合わせて活用されてもよいでしょう。
また、どちらの制度でも購入できる「投資信託」は、私たちが投資したお金をまとめて、資産運用のプロが運用してくれる商品です。
しかし、プロが運用するからといって必ず儲かるものではありません。預貯金とはちがい、元本保証がない点はしっかり心に留めておきましょう。
また、手数料(iDeCoの場合)や商品ラインナップなども金融機関によってさまざまですので、口座開設時には比較しながら検討していくとよいかもしれません。
まとめにかえて
今回は、つみたてNISAとiDeCo、2つの税制優遇制度についてお話ししてまいりました。
どちらの制度も少額をコツコツと積み立てていくスタイルです。
「大きな金額を一度に投資に回すのは怖い」といった理由で資産運用にトライできなかったみなさんが、最初の一歩を踏み出すには適した制度といえるでしょう。
ただし、つみたてNISA、iDeCoともに、運用商品をご自身で選ぶ必要があります。さらに、つみたてNISAであれば売却のタイミング、iDeCoであればスイッチングのタイミングなどもご自身で判断していくことになります。
投資初心者の方にとっては、少し不安に感じる部分が多いかもしれませんが、注意点を押さえ、ご自身に合う金融商品や運用スタイルを見つけていくことができれば、ぜひ活用を検討したい制度です。
お金のプロのアドバイスなどを参考しながら、じょうずにお金を育てていきたいものですね。
参考資料
- 金融庁「つみたてNISAの概要」
- 金融庁「令和2年度税制改正について」
- 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」iDeCo(イデコ)の特徴
- 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」iDeCo(イデコ)をはじめるまでの5つのステップ
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マネイロ「資産運用はじめてガイド」
佐藤 雄基