厚生労働省の資料によると、令和3年度の国民年金受給額(満額)は月額6万5075円です。

この「満額」を受給できるのは、原則として480カ月分もれなく国民年金保険料を納めた方です。

現役中に納める国民年金保険料に未納期間があるとその分将来受け取れる年金額も少なくなります。ちなみに令和3年3月時点の国民年金納付率は76.6%です。

国民年金は老後の受給金額の少なさに注目されることが多いのですが、実は仕組みとしてはコストパフォーマンスの高い年金だといえます。

今回は、国民年金のコストパフォーマンスが高い理由と、受給額を少しでも増やす方法についてお話したいと思います。

老後10年で元が取れる!国民年金を払っておくべき理由

日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方は、国民年金の被保険者(加入者)となります。

公的年金制度には国民年金と厚生年金の2種類があり、国民年金のみの加入者は主に「自営業者・学生・主婦・フリーター(働き方によっては厚生年金の場合もあり)」の方をさします。

国民年金をきちんと納付していると、老後に受け取る「老齢基礎年金」だけでなく、若い間にも万が一の事があった場合には「障害年金」を受け取れたり、家族に「遺族年金」が支給されたりします。これだけでも国民年金の保険料を納める価値はあるといえるでしょう。

国民年金保険料は毎年変動しますが、全員一律の金額となっており令和3年度の保険料は月1万6610円です。

皆さんの関心が高い「老後の年金」に関していえば、現在の給付水準がしばらく続くと仮定して、1カ月約1万6000円の支払いで、月々約6万5000円を受け取ることができるのです。