③節税も同時に!「国民年金基金」
国民年金基金は、厚生年金に加入していない自営業者等が国民年金とセットで加入することができる年金制度です。
付加保険料との違いとしては、掛金月額6万8000円を上限に自由に選択することができ、加入後もライフサイクルに応じて月々の掛金を増減することが可能です。(掛金月額は、選択した給付の型・加入口数・加入時の年齢・性別により決まります。)
また、掛金が全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税を軽減できるのもうれしいポイントです。
注意点としては、さきほどの付加保険料との併用はできません。個人型確定拠出年金(iDeCo)にも加入している場合は、その掛金と合わせて月6万8000円以内となります。
④「学生納付特例制度利用者」なら追納も
国民年金の納付義務は20歳からですが、大学生や大学院生・専門学校の学生など成人してからも学生であることはめずらしくありません。
学生である間は、申請を出すことで在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」があります。
本人の所得が一定以下の学生という制限はありますが、未納とは違い保険料猶予期間も受給資格期間に組み入れてもらえます。
しかし、年金額には反映されないため、猶予期間分の保険料を追納しなければ、国民年金の満額受給はできません。
ただし、学生納付特例期間の承認をうけた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納すると、猶予を受けていた間の保険料に一定の加算額が上乗せされてしまいます。
早めの追納、もしくは在学中でも経済的に余裕があるのであれば、その時に保険料を納付しているほうがいいかもしれませんね。
まとめにかえて
今回は、国民年金を満額受給するための方法や、受給額を上乗せする方法をご紹介しました。
国民年金は老後資産の土台づくりに必要な年金制度ですが、それでも月6万円台では生活をするのも難しいのではないかと思います。
さらなる増額法として、年金の繰下げ受給(66歳以降に年金受給開始を遅らせて受給額を増やす)という方法もありますが、その場合受給を遅らせている間の生活費はどうするかという新たな問題も生まれます。
多くの人が抱える老後資金問題、年金だけでは不安だという方は、まずは無料のマネーセミナー等に参加してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和3年3月末現在 国民年金保険料の月次納付率」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 日本年金機構「付加保険料の納付のご案内」
- 国民年金基金「国民年金基金制度とは?」
尾崎 絵実