先週、米株が続落する中でも日本株の下げ幅はわずかでした。下落局面では押し目買いも入っています。そういう点では、さらなる調整が入るよりも、出遅れ感のある日本株がそろそろ上値を試す展開になるのではないかとも思われます。

週初に若干の下落があったとしても、その後は再度、心理的節目となる3万円を目指す動きになることも考えられます。

75日線を一時回復するが、再度下落

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は週初からローソク足の実体が75日線を回復、15日火曜日には窓をあけて上昇して寄り付くと、大きな陽線となりました。

ただ、翌16日は実体が短く上ヒゲの長いローソクになっています。その後は75日線も割り込み、陰線が続きました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。75日線を回復したことで、しばらく続いたもみ合いを上抜けたかのように思われましたが、その後は往って来いで下落し、振り出しに戻ってしまいました。

ただし、ここからつるべ落としのように下がっていくことは考えにくいところです。25日線で下値をサポートされそうで、また25日線も徐々に上向いてきています。

方向感を出しづらいところですが、75日線を上抜けるか、25日線を下抜けるか確認してから出動しても遅くはないでしょう。

上値メドとしては、心理的節目となる29,000円、さらには、6月15日の高値(29,480円)、5月10日の高値(29,685円)あたりになります。

直近は下降トレンドラインのチャネルの中にありますが、その上限が29,500円あたりになりますので、これらの上値メドと重なります。このあたりを突破できるかどうかがポイントです。

逆に下値メドは、5月13日の安値(27,385円)あたりで、ここまではだいぶ距離がありますので、若干の調整があったとしても押し目買いの好機と考えていいでしょう。

下原 一晃