東京オリンピック開催まで残りわずかとなりました。
活躍する選手の姿に影響され、身体を動かしてみようと「新しい趣味を始めたい!」などと考える人が多くなるタイミングではないでしょうか。
実際のところは、なかなか仕事が忙しくて…と諦めている現役世代は多いかもしれませんね。
しかし定年退職後の生活となるとどうでしょうか。今までは時間に制限されてトライできなかった趣味だけではなく、オリンピックを現地まで観にいくようなことも、自由にできるようになりそうです。
そんなときに、しっかり準備しておきたいのが「老後資金」です。
私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから老後のお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ、定年後60代の貯金事情について確認しながら、セカンドライフに向けたお金のお話をしていきたいと思います。
定年60代世帯「老後の貯金2000万円超」は何割か
では、さっそく60代のみなさんの貯蓄額を確認していきましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」によると、60代の貯蓄額別の分布は以下のようになっています。
60歳代・二人以上世帯「金融資産保有額」
(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:1745万円
- 中央値:875万円
◆貯蓄額の分布◆
- 金融資産非保有:18.3%
- 100万円未満:3.5%
- 100~200万円未満:4.0%
- 200~300万円未満:4.0%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:4.0%
- 500~700万円未満:5.3%
- 700~1000万円未満:7.5%
- 1000~1500万円未満:7.5%
- 1500~2000万円未満:6.3%
- 2000~3000万円未満:13.3%
- 3000万円以上:19.0%
- 無回答:3.3%
平均値は、上位の大きな数値に全体の数値が影響を受けてしまうため、中央値のほうがより実態を反映しているといわれています。
一昨年に話題となった「老後2000万円問題」でクローズアップされた「2000万円」という金額をひとつの目安として結果をみてみると、全体の32.3%がこの金額以上の金融資産を保有していることになります。
しかしその反面、中央値が875万円、18.3%が金融資産を保有していないという事実をふまえると、貯金が「ある世帯」と「ない世帯」の格差が見てとれる結果ともいえるのではないでしょうか。