みんなの住宅ローン事情

ちなみに、国土交通省の「令和2年度 住宅市場動向調査報告書」によると住宅ローンがある世帯の年間返済額は、分譲マンションの取得世帯で131万1000円。

注文住宅、分譲戸建住宅、中古戸建て住宅の取得でも100万円を超えています。また、世帯年収に占める返済負担率は、分譲戸建て住宅で18.6%です。

さきほどの家計調査の結果によると、50代の住宅ローンのための負債平均額は692万円です。おそらく、50代もしくは60歳前後の定年退職までに住宅ローンを完済する計画を立てていらっしゃる世帯が多いであろうことが推測されます。

50代世帯「純貯蓄額」は、いくら?

さて、話を戻します。ここまでご紹介した50代の貯蓄額(預貯金以外の金融資産と預貯金額を合計したもの)から、負債額を差し引いて純貯蓄を出してみましょう。

1681万円-692万円=989万円

50代の純貯蓄額は989万円となりました。

いわゆる「老後2000万円問題」でクローズアップされた「2000万円」の半分にもまだ手が届いていないことになります。

ここまでご紹介したデータは、あくまでも調査結果に基づく平均値です。また、年収や勤務先の定年退職年齢は人それぞれですので、一概に「不安である」と言い切ることはできないでしょう。

とはいえ、現役生活最後のラストスパート時期ともいえる50代の貯蓄額としては、いささか心もとないと感じた方がほとんどではないでしょうか。

さいごに、50代のみなさんが「今から」できる老後のお金対策を考えます。