女性就業率の上昇よりも少子化が「速い」
なぜ2025年に利用児童数がピークを迎えるのか。端的に言うと、「女性就業率の上昇スピードよりも、少子化の速度が早いため」です。
再度、前述の表を見てみますと、平成25年の0~5歳人口は634万人でしたが、平成31年には585万人でした。令和7年には530万人になると推計されており、少子化はますます加速していくことが見込まれています。
また、足元の数字も見てみます。
厚生労働省が2021年5月26日に公表した「妊娠届出数の状況」によると、令和2年1~12 月の累計妊娠届出数は 87万2227 件であり、前年同期間の 91万6590 件と比較すると 4.8%減で、過去最小を更新しました。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、出産・子育てへの不安から減少したと見られます。少子化は今後も進んでいくと見られます。
妊娠届は前年比-4.8%。-17.6%の月も
それでは、令和2年度の妊娠届の数を月ごとでチェックしていきます。
令和2年度 月別の妊娠届出数 ※カッコ内は前年同月比
1月:8万2835件(-1.4%)
2月:7万1498件(-4.3%)
3月:7万8372件(3.9%)
4月:7万5578件(-0.3%)
5月:6万7321件(-17.6%)
6月:6万6736件(-5.8%)
7月:6万9349件(-10.8%)
8月:6万8337件(-6.2%)
9月:7万1669件(-1.2%)
10月:7万4973件(-6.6%)
11月:6万9804件(-4.8%)
12月:7万5755件(-1.8%)
合計87万2227件(-4.8%)
3月以外はすべて前年同月比を下回りました。特に5月と7月は下げ幅が大きくなっています。緊急事態宣言があった月の前後で減少が大きくなっていることから、やはりコロナ禍の影響が大きいと見られます。