保育士の有効求人倍率は全職種の2倍
女性の加速する就業率、また近年の社会状況から、少子化が早いペースで進んでいる状況について見てきました。
それでは、保育園で実際に働く保育士をめぐる就業状況についても見ていきましょう。有効求人倍率をベースにチェックしていきます。
有効求人倍率とは
求職者1人あたりに対して、何件の求人があるのかを表す指標。一般的に求人倍率が高いと、企業がより多くの働き手を求めていることになります。労働市場において、需要と供給のバランスがどうなっているかを測る指標のひとつです。
厚生労働省によると、2020年3月の全職種の有効求人倍率は1.12。これに対して、保育士は2.67と、実に2倍以上の差があります。保育士の担い手は足りていないことがわかります。
保育士はなぜ足りていないのでしょうか。東京都福祉保健局の「東京都保育士実態調査」より、過去に保育士として働いていた職場の退職理由(複数回答)を調べてみると、下記の結果がでています。
- 職場の人間関係…38%
- 仕事料が多い…27.7%
- 給料が安い…27.4%
- 労働時間が長い…25.3%
保育現場の労働環境をめぐる問題については、ニュースでも取り上げられることが多いトピックですので、よくご存知の方も多いと思いますが、やはり働く上での環境、条件面の問題により退職をしてしまう方もいらっしゃるようです。