厚生労働省が2021年5月26日に開催した検討会で、保育所の利用児童数が2025年にピークを迎える」との推計を公表しました。
「保育所に入れない子どもが多い」大きな社会問題とされている待機児童問題ですが、2025年には逆に保育所が過剰となる時代が到来するかもしれません。
そこで今回は保育所が、なぜ2025年でピークを迎えるのかについて解説していきます。
女性就業率は2025年で80%に
それでは、厚生労働省が公表した「保育所の利用児童数の今後の見込み」「保育所等関連状況取りまとめ」をもとに、保育所の利用児童数について見ていきます。【表】をご覧ください。
保育所の利用児童数は平成25年に約222万人、平成31年には約268万人となっており、約46万人増加しています。
同期間の25~44歳の女性の就業率も見てみましょう。平成25年には70%程度の就業率が、平成31年には77.7%と大きく伸びています。
当然のことですが、女性の就業率が高くなるにつれ、保育所の利用児童数は増加している現状がわかります。保育園の数が足りなくなれば、とうぜん待機児童が増えます。
このことをふまえて考えると、令和7年には女性の就業率が82.0%になり、その後も緩やかに上昇していますので、利用児童数が増加すると予想されるはずです。
女性の就業率は今後も伸びる見込みに対して、なぜ2025年(令和7年)に利用児童数がピークを迎えるのでしょうか。