年金だけに頼らない!「老後のお金」を準備する
年金の受給額を増やす工夫もたいせつですが、やはり、「それ以外の方法」で老後のお金対策を行っていくことも必要といえるでしょう。
では、「それ以外の方法」には、具体的どのようなものがあるのでしょうか?
もちろん、預貯金で備えるという方法もありますが、今はほぼゼロ金利なので、効率が良いとはいえません。
そこで視野に入れたいのが、長期積立投資を行い、お金を複利で運用することです。
ここでまずカギを握るのが、「運用期間をできるだけ長くすること」です。そして、手元資金をまとめて投資するのではなく、毎月同じ金額を買付けるというように、購入のタイミングを分散することで、いわゆる「高値掴み」を防ぐことに繋がります。
複利とは、投資から得られたリターンを手元に受取らずに再投資して、投資元本を雪だるま式に増やしていく方法です。
「長期積立投資」「複利」という2つのポイントを押さえ、月々3万円を30年間、年率6%の複利で運用した場合、金融庁「資産運用シミュレーション」によると約3000万円のお金を作ることができます。
同じ期間、預貯金で積み立てた場合は、1080万円程度なので、上記のポイントを押さえて運用することの重要性がお分かりいただけるのではないかと思います。
「年金額を増やす」+「資産を育てる」=老後の安心
国民年金は今回ご紹介した方法で出来る限り増やしていただければと思います。また、基本的なことではありますが、まずは、年金保険料を滞りなく支払い、満額を受け取れるようにしていきましょう。
そして、同時並行で資産運用を視野に入れた、老後資金づくりを進めていかれることも意識していただければと思います。
「人生100年時代」といわれるこれからの時代は、現役時代から「年金以外のお金」の準備を行っているかどうかで、大きく将来の老後生活が変わることが想定されます。
ご自分に合ったお金の増やし方を見つけるために、マネーの専門家のアドバイスを受けるのも一つの手でしょう。
ことばの解説
※1「第1号被保険者」…日本に住んでいる20歳以上60歳未満の自営業者(フリーランス)や農業・漁業者、学生や無職の方、その配偶者の方のこと。厚生年金保険や共済組合等に加入している方は除きます。
※2「任意加入被保険者」…保険料を納める期間や加入者である期間が短いなどの理由から、60歳以降も国民年金に任意で加入する方のこと。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「付加保険料の納付のご案内」
- 国民年金基金「国民年金基金制度とは」
- 国民年金基金「加入によるメリット」
- iDeCo公式サイト「iDeCoってなに?」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「老齢基礎年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 熊谷良子(LIMO)「国民年金を「たくさんもらう」プラスアルファのテクニック」
- マネイロ「資産運用はじめてガイド」
佐藤 雄基