みなさんはご自身が将来どのくらい年金を受給できそうか、ご存じでしょうか。
現役時代の加入状況により、老後に受け取る年金額には個人差があります。
とりわけ、国民年金のみを受け取る場合は厚生年金に比べて受給額が少なめですので、受給額を増やす工夫を意識していらっしゃる方も多いでしょう。
そこで本日は、10年以上大手金融機関で勤務した経験のある私から、国民年金の受給額を増やすテクニックについてお話ししてまいります。
年金制度の基本をおさらい
日本の年金制度は「2階建て構造」などと呼ばれます。ベースとなる国民年金(1階部分)と、上乗せ部分の厚生年金(2階部分)から成り立ちます。
国民年金と厚生年金「老後にもらえる年金のちがい」
国民年金は、日本国内に住む20歳から60歳までのすべての人が加入し、厚生年金はサラリーマンや公務員が、国民年金に上乗せして加入するものです。
老後は、国民年金のみに加入していた人(自営業、フリーランス、専業主婦(夫)など)は「老齢基礎年金」(1階部分のみ)を受給、厚生年金に加入していた人は「老齢基礎年金」(1階部分)に上乗せして「老齢厚生年金」(2階部分)を受け取ります。
受給要件を満たした場合、「原則65歳」から、老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取ることができるのです。
国民年金・厚生年金「いまどき受給額の平均」
次に、今のシニア世代が受け取っている公的年金の平均額を見ていきましょう。
厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金・国民年金事業の概況」から抜粋します。
国民年金:平均年金月額
- 男子:5万8866円・女子:5万3699円
- 全体の平均額:5万5946円
厚生年金保険(第1号):平均年金月額
- 男子:16万4770円・女子:10万3159円
- 全体の平均額:14万4268円
厚生年金の受給額は、現役時代の収入を反映する部分があるため、男女で6万円ほどの差があります。一方、国民年金の受給額は男女の差は5000円ほどですが、厚生年金と比較するとかなり心もとない金額であるといえそうです。
この「少なめ受給額」を少しでも増やために、どのような工夫ができるでしょうか。次でいくつかご紹介していきます。