「子供2人には幼稚園のときから習い事をさせ、地元の中高一貫校から東京の大学に進学させました。息子は大学進学で上京した途端、遊びほうけて留年。6年間かけて大学を卒業した後は定職にもつかず、バイトで稼いだ生活費も底をつき、今では実家で暮らしています」

息子さんの現状には不本意だろうと予想できますが、お嬢さんはどうなったのかというと…

「娘は大学で心理学を学んでいたんですが、『やっぱり絵を描くのが好き!』と言い出し、卒業後に絵の専門学校に再入学。今では細々とイラストレーターをやってます。FPに老後資金の相談をしたとき、『これまで教育にお金をかけすぎたせいで、収入に対して老後資金が少なすぎる』と言われる始末。先行投資をまったく回収できず、何のために時間とお金をかけたのか、ため息ばかりです。まぁ、2人とも元気で生きてくれているだけで良しとします」

親としては少しでも順風満帆な人生を送れるように導いたつもりでも、子供の意思まではコントロールできないものです。たとえ投資に対して「そんな結果かよ!」と突っ込みたくなる選択だったとしても、子供自身が幸せなのであれば親は受け入れるほかありません。

中学受験の主役は、あくまで子供。親は見返りを求めてはいけないということを、肝に銘じておく必要がありそうです。

人生は想定外のことばかり

努力が将来を保証してくれるとは限りませんが、幼いころに目標に向かって努力をしたことがある人は、その後の人生もがんばれる可能性が高いのかもしれません。

その意味では、中学受験は大いに有意義だと思いますが、人生は想定外のことばかり起こるもの。たとえお金や努力が無駄に思えても、親はドンと構えておく必要がありそうです。子供がどんな人生を歩もうとも、本人なりに何かしら得られるものがあるはずと信じ、そっと応援できる親でありたいですね。

金谷 ひつじ