無料低額診療を受けたのは約760万人

それでは、実際にどれくらいの人が無料定額診療を利用しているのでしょうか。

厚生労働省の「無料低額診療事業・無料定額老健事業の実施常況の概要(平成30年度実績)」によると、診療を受けた人は760万8773人、施設数は703ヶ所となっています。

施設数の内訳は以下のとおりです。※カッコ内は前年比

  • 社会福祉法人… 201(+8)
  • 公益社団・財団法人… 134(+6)
  • 一般社団・財団法人… 44(-3)
  • 医療法人… 124(-1)
  • 医療生協… 188(+8)
  • その他… 12(-2)

前年度から41652人増加していますが、この結果は平成30年度のもので、コロナ禍よりも前の状況になります。

近年は、受診控えなどコロナ禍の影響で病院を訪れる人が減少したとのニュースも一時期つたえられましたが、コロナ禍による生活困窮により、このような制度を頼った方も一定数いらっしゃるかもしれません。

一方で、こうした制度を知らなかったために、制度を活用できず、医療費がさらに家計を圧迫してしまうことが懸念されます。少しでも自分が当てはまりそうな場合は、ためらわずに相談するようにしましょう。

では、生活困窮者むけの他の支援制度をみていきます。