長期化するコロナ禍のなかで、経済的に苦しむ人が増えています。収入が低くなり、病院で治療を受けるのも難しいという人もいるでしょう。
実は、こうした生活に苦しむ人でも治療を受けられる「無料低額診療」という制度があります。今回はこの制度も含め、コロナ禍などで生活が苦しい人を支援する制度について詳しく解説していきます。
医療費を無料・低額にできる「無料定額診療」
無料定額診療とは、医療機関が低所得者などに無料、または定額な料金で診療を行う制度です。この無料定額診療は事業として行っているため、無料定額診療にとりくんでいる事業所(病院など)で条件を満たした方がこの制度を利用することができます。
制度を利用できる方は、さまざまな事情で生計をたてるのが困難な方で、厚生労働省によると対象者は下記の通りとなっています。
- 低所得者
- 要保護者
- ホームレス
- DV被害者 など
それでは、具体的にどのような条件であれば無料定額診療は受けられるのでしょうか。
全日本民医連ホームページの「無料定額診療事業 制度の説明」に北海道勤労者医療協会の事例が掲載されています。
これによると、北海道勤労者医療協会では、1か月の収入が生活保護基準の約120%以下なら全額免除、140%以下なら一部の医療費負担を免除としています。
また、患者から申し出などがあれば、医療相談員と面談し他の活用できる制度なども総合的に勘案して、適合を判断しているとのこと。
無料定額診療はあくまで生活が改善するまでの一時的な措置ですから、原則1か月~最大3か月を基準に運用されています。