介護保険は国民の支え合いでできている
介護保険の仕組みや費用が増えていく理由について、ここまで解説してきました。
こうした状況を踏まえ、介護保険の自己負担は今後増加することが見込まれています。実際、財務省の諮問機関が5月21日に提出した建議書(意見書)でも、介護サービスの利用者負担を現行の1割から2割負担に増やすことを注文しています。
とはいえ、負担増の結果、介護サービスの利用を控える人が増える可能性もあります。制度の存続も重要ですが、それによって利用者の生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。
介護保険、ひいては社会保障制度は全員で支え合って作っていくもの。私たちが安心して暮らせるのは、こうした制度の恩恵であることを忘れないようにしたいものです。
参考資料
- 厚生労働省「第8期計画期間における 介護保険の第1号保険料について」
- 厚生労働省「第8期介護保険事業計画等の全国集計(概要)」
- 財務省「2025年、高齢者1人を現役世代何人で支える?」
- 財務省「日本の財政関係資料」
- 財政制度等審議会「財政健全化に向けた建議」
- 厚生労働省「介護保険制度について」
齊藤 慧