話は変わりますが、任天堂が「株式会社マリカー」を相手取った訴訟においては、プレスリリースは計5回公開されています。

  • 2017年2月24日発表(訴訟提起)
  • 2018年9月27日発表(東京地裁判決)
  • 2019年5月30日(知財高裁判決(中間判決))
  • 2020年1月29日発表(知財高裁判決(終局判決))
  • 2020年12月28日・(最高裁決定(勝訴確定))

損害賠償の金額の規模を両社の業績から考える

では、この「96億9900万円」という金額は、両社にとってどの程度のインパクトなのでしょうか。コロプラの決算期は9月、任天堂は3月と決算時期が異なるので、今回は同じ時期の比較になるように4半期単位で比較してみます。

まず、コロプラの業績をみていきましょう。

コロプラ…2021年9月期第2四半期(2021年1月-3月)の実績

  • 売上高:106億9900万円
  • 営業利益:27億6000万円
  • 当期純利益:27億6100万円

つづいて、任天堂の業績を見ていきましょう。

任天堂…2021年3月期第4四半期(2021年1月-3月)の実績

  • 売上高:3544億4600万円
  • 営業利益:1195億2500万円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益:1037億1100万円

96億9900万円という金額は、コロプラにとっては四半期売上高に匹敵する規模です。しかし、同社の現金及び預金は600億円近くあり、仮にキャッシュですべて支払ったとしても会社の基盤を揺るがすほどの規模ではないといえるでしょう。