「長寿時代」を見据えて、今、できること
今回は、円熟シニア世代ともいえる70代のみなさんのお金事情をながめてきました。
働き盛りの現役世代のみなさんの中には、「今のわが家の貯蓄額で、老後は安心できるだろうか…」そんな不安を感じた方もいらっしゃるでしょう。
「人生100年時代」が近づく今、リタイヤ後の早い段階で貯蓄が尽きるという状態は避けたいものです。
ここで2つ、お伝えしたいことがあります。
1つ目は、「老後資金がいくら必要か」は、人それぞれです。
例えば、「老後は必要最低限の生活ができればそれでいい」と考える方もいらっしゃれば「リタイヤ旅行や趣味などの時間を大切に、ゆとりある生活を送りたい」という方もいらっしゃいます。
つまり、ライフスタイルが変われば、必要になる金額もおのずと変わるのです。
2つ目は、いったん慣れてしまった生活水準を大幅に落とすことは難しい、ということです。
年金生活に入ったとたんに、節約モードにシフトできる人は、ごくわずかではないでしょうか。現役時代の生活費から大幅に切り詰める前提でやりくりしていくことは、あまり現実的ではないように筆者は感じます。
まずは、ご自身が思い描く老後のライフスタイル像を見つけ、その理想に向かってどのような準備をしたらいいか考えてみましょう。今からすべきことは、おのずと見えてくるのではないでしょうか。
お金の悩みや疑問は「プロに相談」がお勧め
年金生活がスタートし、ほどなくして老後資金が枯渇する事態は、誰しもが避けたいことです。
老後のライププラン、そしてマネープランがなかなか立てられない…という方は、一度お金の専門家のアドバイスを参考にしてみるのも良いかもしれませんね。
信頼できるアドバイザーと一緒に、理想の老後の「お金と暮らし」、そして、それを実現するための具体的な手段を見つけていくことができるかもしれません。
「あの時、ちゃんと老後に向けて準備してて良かった」
70代を迎えたご自身が、そんな気持ちになれていたら、うれしいですよね。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年調査結果」
- 厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2019年度)」
- 総務省「家計調査報告(家計収支編)―2020年(令和2年)平均―(二人以上の世帯)」
- 熊谷良子(LIMO)「「70代の平均いくら?」みんなの年金・貯蓄事情」
鶴田 綾