今週は重要な経済指標の発表も相次いで行われます。国内では18日に1-3月期国内総生産(GDP)速報値が発表されます。米国では19日に連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、20日に5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、21日に4月中古住宅販売件数などが発表されます。

直近の下値抵抗線を割り込む。足元では調整局面か

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線が収束し、方向感が出しにくい流れが続いています。

先週はそれでも週初には陽線となって、ローソク足の実態が25日線を上抜けました。ところが翌日から大きな陰線が3日続き、25日線だけでなく75日線も割り込みました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。これまで3月5日の安値(28,308円)、3月24日の安値(28,379円)、4月21日の安値(28,419円)と、安値が次第に切り上がるとともに、このあたりが、足元での下値サポートになっていました。ところが先週、この下限を大きく割り込んでしまいました。

今週、ここを回復し29,000円あたりまで戻せればいいのですが、逆にこのあたりが上値抵抗線になってしまうこともあり得ます。その場合は、短期的には下目線にならざるを得ません。

懸念されるのは、先週の値動きにより25日線が75日線を上から下に抜けるデッドクロスが形成されたことです。

25日線と75日線のゴールデンクロスが形成されたのが2020年5月で、その後1年あまり上昇を続けてきましたが、その流れが転換する可能性があります。

一方で、週足や月足で中長期的な流れを見ると、依然として上昇トレンドは続いており、上昇一服とみることもできます。ひとまず今週、25日線を回復できるかどうかに注目したいところです。

下原 一晃