2020年度に小学校の学習指導要領が改訂となり、2021年度からは中学校でも新指導要領が導入されました。中でも英語学習では「覚える英単語が激増する」という話を耳にした方も多いことでしょう。

この教育改革の動きは小学校や中学校だけではありません。高校から大学への進学も大きな変革期を迎えています。いわゆる「高大接続改革」がそれに当たります。

高大接続改革という言葉だけでは何のことやらよくわかりませんが、ざっくり言うと高校〜大学入試〜大学を一体とした改革のこと。「急速に変わりゆくグローバル社会で力を発揮するため、義務教育で育成してきた学力の3要素を高校で確実なものとし、大学でさらに伸ばす」という教育方針です。

ゆとり教育とは違う一貫型改革を目指すが混乱も

かつて「ゆとり教育」の時は義務教育のみが対象となり、大学入試自体は従来のままというズレができてしまいました。それに対して今回は、小学校から大学入試まで「一貫した教育改革」を行うことを文部科学省は打ち出しています。

これまでも大学附属の小中高または中高を持つ私立学校では、それぞれの教育理念に基づく大学までの一貫教育を掲げている場合がほとんどです。そして、基礎学力の定着を図るだけでなく、大学でどういったことを学ぶのかに触れる機会を設け、大学の教職員を招いた授業等を行うことも珍しくありません。

しかし、中学生や高校生でこうした高等教育機関での学びを体験できるのは一握り。多くの子どもたちは公立小に通っており、こうした環境に身を置いてはいません。

今回の「一貫した教育改革」では、先行き不透明な社会を生き抜くために必要なスキルとして、学力の3要素「1. 知識・技能」「2. 思考力・判断力・表現力」「3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を小中学校で育てていき、高校で定着させ、大学などの高等教育機関に進学した際はさらにその能力を伸ばすことが提案されています。