運用商品の選び方、どうすればよいか
将来受け取れる年金額を増やし、ゆたかな老後を過ごすためにできること。それは企業型DCの運用状況を改善することです。
運用状況を改善するには、どんな運用商品を選ぶのか、どのような配分にするのかなど、自分で決めなければいけませんが、そもそも管理する機関によっても選べる運用商品が異なります。
何に気をつけて、どのように選べばよいのか。注意すべきポイントを3つ、お伝えします。
選ぶポイントその1:成長資産を選ぶ
経済成長が見込める先に投資している投資信託を選びましょう。
そうなると、日本株への投資はあまりお勧めできないことになります。
日本は少子高齢化で人口が減少しています。
2050年頃の人口は今よりも2000万人程度減り、1億人を割る可能性があるのに対し、世界人口は2050年時点で今より約20億人増加し、100億人を超えると予想されています。
経済成長率は人口増減率と密接に関係していますので、株式に投資するなら外国株に投資しているものをお勧めします。
選ぶポイントその2:自分の年齢に合わせた運用を行う
投資は期間によってパフォーマンスが大きく変わります。
例えば、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500に、2020年末まで過去10年間投資した場合はプラス198%程度、過去30年間投資した場合はプラス1038%ほどのリターンです。
また、過去の実績上、投資期間が短くなればなるほど、リターンの変動幅が大きくなり、リスクが高い投資になりがちです。
20代、30代の比較的若い人であれば、投資期間も20年、30年、40年と取ることができますので、先程お伝えした外国株式に100%配分してもよいでしょう。
一方、40代、50代、または定年間近の人は株式の割合を減らしながら、比較的安定的な資産である債券等への配分を多めにしていくことをお勧めします。
企業型DCは「スイッチング」といって、運用商品を入れ替えることができます。資産状況と自分の年齢を照らし合わせながら定期的に見直すことを行ってください。
選ぶポイントその3:成績のよいアクティブファンドを見極める
投資信託は、大きく分けると、インデックスファンドとアクティブファンド、この2種類に分けることができます。
インデックスファンドは、日経平均、S&P500などの株価指数に概ね連動する動きを目指すもので、基本的には手数料が安い商品になっています。
一方、アクティブファンドは株価指数を上回る動きを目指し、手数料はインデックスファンドに比べると高めに設定されています。
皆さんが加入している企業型DCの中に、成績のよいアクティブファンドがあれば問題ありません。ぜひそれを選択することをおすすめします。
残念なことですが、日本で設定されている投資信託の中でインデックスファンドを上回っているアクティブファンドは2割程度しかありません。
ですから、選択できる投資信託のなかに、そもそも成績のよいアクティブファンドが無い可能性が高いのです。
企業型DCに加入されている人は、アクティブファンドのレポートを見て、そのファンドが指標としている株価指数をしっかり上回っているかどうかを確認することが必要です。