パート・アルバイトの「実質的失業者」は約140万人

さらに調査結果を見ていきます。パート・アルバイト男性のうち「コロナ以前と比べてシフトが減少している」人は3割強(33.9%)で、そのうち「シフトが5割以上減少している」人の割合は48.5%(パート・アルバイト男性の16.5%)でした。

また、コロナでシフト減のパート・アルバイトのうち、休業手当を受け取っている人は依然として少なく、女性の7割強(74.7%)、男性の約8割(79.0%)が「休業手当を受け取っていない」と回答しています。

この野村総合研究所の調査では、パート・アルバイトのうち、「シフトが5割以上減少」かつ「休業手当を受け取っていない」人を「実質的失業者」と定義し、調査結果および総務省の「労働力調査」を用いて推計を行っています。

その結果は、2021年2月時点で全国の「実質的失業者」は女性で103.1万人、男性で43.4万人にのぼりました。

昨年12月の調査に基づく推計では、パート・アルバイト女性のうち「実質的失業者」は90.0万人であり、昨年12月からの約2か月の間に1割強、「実質的失業者」が増えていたという結果になりました。

もちろん、この調査で定義している「実質的失業者」は、一般的な統計上の「失業者」にも「休業者」にも含まれていません。

この調査のポイントのもうひとつは、「シフト時間を短縮する短時間休業であっても、休業手当を受け取ることができること」を知らない人の割合が非常に高いこと。女性53.1%、男性51.8%が認識していませんでした。