老後2000万円に含まれない費用とは

先ほど紹介したモデルケースの支出には、老後に必要な費用のうち含まれていないものがあります。それを考えると、2000万円の貯蓄があっても絶対に安心できるとは言い切れません。

住まいにかかるお金

モデルケースの支出の内訳を見ると、住居費は約1万4000円とかなり少ない出費となっています。これは、高齢者世帯では持ち家の比率が高いと考えられるためです。

老後も賃貸物件に住む場合、家賃がかかり続けるため老後費用を追加で準備しておく必要があるといえます。例えば家賃が6万円の物件に住み、老後が30年間だとすると追加で1656万円の資金が必要です。

介護にかかるお金

介護にかかるお金も2000万円には含まれていません。介護の費用は公的介護保険で1~3割負担に軽減されますが、介護度によって支給限度額が設定されています。限度額を超えたサービスを利用した場合、超えた分は全額自己負担となるため費用が大きくなることもあります。

さらに、老人ホームなどに入所する場合は月額費用のほかに入居時費用としてまとまったお金が必要です。LIFULL介護によると、老人ホームの費用相場は以下の通りです(※)。

◆有料老人ホーム
入居時費用の相場:540万円
月額費用の相場:22万5000円(入居時費用あり)19.9万円(入居時費用0円)

◆サービス付き高齢者向け住宅
入居時費用の相場:19万8000円
月額費用の相場:入居費用ありの場合…16万4000円、入居時費用0円の場合…15万3000円

介護費用も2000万円とは別に、まとまった資金を準備しておいた方が安心だといえるでしょう。

LIFULL介護「老人ホームの費用相場」