新年度が始まって約1カ月。入社式や研修が終わり、”思っていたのと違う”というモヤモヤした気分に陥る新入社員が出てくる時期でもあります。この理想と現実の違いに脱力感や喪失感を抱く心理状態は、「リアリティショック」と言われ、新入社員や転職者が短期間で辞めてしまう原因にもなるようです。

接客改善業務に携わる筆者は、しばしばこうした事例を見聞きすることがあります。そこで本記事では、心が折れそうな状態を乗り越えて「よかった」と感じている会社員の人たちに聞いた、メンタルのバランスを保てた理由を紹介します。

「リアリティショック」とは

新卒や転職で入社する前には、「新しい職場は、こんな感じかな?」「こういう仕事を任されるんだろうな」と、期待と想像を膨らませることでしょう。しかし、入社してみたら「仕事を任せてもらえない」「手取り足取り教えてくれると思っていたのに…」といった現実に直面する人は少なくありません。

このように、想像や期待と現実のギャップを実感し、衝撃を受けることを「リアリティショック」と言います。

パーソル総合研究所とパーソルキャリアが一昨年実施した調査によると、「リアリティショック」は入社後1か月ぐらいまでに感じることが多く、入社3年目には80%近くにまで達し、その後の会社への満足度にも大きく影響するようです。そして、こうした「リアリティショック」からネガティブな思考に陥り、早期退職につながるケースもあります。

「リアリティショック」から立ち直った経験

会社の同期やプライベートの友人のアドバイスなどで、「リアリティショック」から立ち直れることがあります。以下、実際に「リアリティショック」に直面した経験と、その負の感情をやわらげることになった出来事について見ていきましょう。