人生100年時代を迎えようとしている昨今、老後への不安を感じる人が多くなっています。特に多いのが「年金だけでは生活できないかもしれない」ということ。
サラリーマンの方の場合、公的年金以外に老後生活の大きな助けとなるのが退職金です。しかし、退職金は年々減少していることをご存知でしたでしょうか。
退職金に頼らず、自分で老後資金を準備しなければならない時代が訪れているのかもしれません。
今回は、厚生労働省が公表している「就労条件総合調査」の結果から、実際に退職金はいくらもらえているのか、またその推移を見ていきましょう。
退職金はいくらもらえるのか
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」によると、退職給付制度がある企業は80.5%となっています。
退職給付制度がある企業のうち、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者の1人平均退職給付額は以下の通りです。
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職):1983万円
- 高校卒(管理・事務・技術職):1618万円
- 高校卒(現業職):1159万円
退職金額は、勤続年数によっても大きく変わってきます。学歴・勤続年数別の退職金額は以下の通りとなります。
大卒・大学院卒(管理・事務・技術職)
- 20~24年:1267万円
- 25~29年:1395万円
- 30~34年:1794万円
- 35年以上:2173万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 20~24年:525万円
- 25~29年:745万円
- 30~34年:928万円
- 35年以上:1954万円
高校卒(現業職)
- 20~24年:421万円
- 25~29年:610万円
- 30~34年:814万円
- 35年以上:1629万円
学歴によっても大きく差がありますが、勤続年数が短いと退職金額が少ない印象です。
今では「同じ会社で新卒から定年まで勤め上げる」という働き方は一般的ではなくなっています。転職を検討する際は、退職金が少なくなる事実も受け止めた上で、キャリアやマネープランについて長い目で考えていきたいものです。