無理のない返済計画とは

返済負担率を20%とすると、年収600万円世帯の年間の返済額は120万円になります。これは一般的に無理のない返済額とされますが、各家庭の状況や時期によっては適切とはいえません。

共働きで世帯年収が600万円の場合、子どもが小さいうちは一方の収入が途絶える可能性があります。また、教育費がかさむ時期には、20%が厳しいと感じるかもしれません。

このようなライフプランに合わせて、返済額を増やしたり、減らしたりできればいいのですが、一旦組んでしまったローン返済額を変更するのは、手間とコストがかかります。そのため、最初から無理のない返済計画を立てることが重要となります。

返済計画を立てるためには、まずはライフプランをもとに、支出が多くなる時期を把握する必要があります。参考に、次の条件を設定してシミュレーションをしてみました。

<条件>世帯主:30代男性、会社員、年収600万円、退職金あり

家族:配偶者と子ども2人
生活費:25万円(※)
住居費:10万円(住宅ローン)
貯蓄額:300万円

※総務省「家計調査 家計収支編|総務省 (二人以上の世帯)」を元に設定

<年収600万円世帯のライフプランシミュレーション>

※出典元:金融庁「ライフプランシミュレーション」を使用して作成した結果を引用。

50歳から55歳にかけて、支出が大きく増え、貯蓄が減っていることがわかります。これは子ども2人の大学進学と重なっていることで、教育費の支出が影響しています。

このように、ライフプランによる収支状況を見て、マイナスになる時期がないように余裕を持った返済計画を立てましょう。そして、返済に余力がある時は、繰上げ返済をして期間を短くし、支払う利息を減らしましょう。