ナイーブすぎる「名誉男性」論

いまの日本のジェンダー関連の問題は、結構、錯綜していて発言をためらってしまうような感じが、ちょっとします。たとえば、最近、話題になっている「名誉男性」というワードがあります。

これは辞任した山田真貴子・前内閣広報官が“飲み会を断らない女"と発言していたことなどが契機となったもので、「男性社会に迎合して成功した女性=名誉男性」という意味です。

たとえば人気コラムニストの河崎環さんは、“飲み会を断らずにエラクなった女たちに走った激震"と題して、40代・50代の一部女性に走った「私たちも男性社会に加担していたのでは!?」という衝撃について書いていますね(出所:PRESIDENT online、2021年3月12日)。

しかし、男性の自分にとっては、これが正直、よく分からない。そういう古い社会(男性社会)の枠組みが強固である以上、そこに適応(迎合)するのは仕方ないのでは・・・と、書くと、炎上しそうで、この辺が日本のジェンダー問題のややこしいところなんですよね。別に、その古い社会の枠組みを肯定しているつもりは、全くないのですが。

ともかく「ワタシって、もしかして名誉男性!?」なんて思う女性が、名誉男性のわけがないだろう、という気がします。少なくとも、辞任した前内閣広報官には自分が名誉男性という意識はないと思いますけどね。同化するということは、そういうことだと思います。