「報ステCM炎上」「名誉男性」…女性をめぐる”ねじれ”と日本の弱点

「財務次官セクハラ問題」を総括できないテレビ朝日

そもそも、意識の高い女性が地上波の、それも報ステを見ているんですかね。とてもギモンです。

しかし、この問題は、いろいろなところで言及されているので、角度を変えて2018年の「財務次官セクハラ問題」の話を蒸し返してみます。まだ、ご記憶の方も多いと思いますが、これは当時、テレ朝女性記者が取材中のセクハラ証拠音声を「週刊新潮」に持ち込み・公表した事件です。最終的には財務省の福田淳一事務次官が辞任しました。

当時「取材中のオフレコ録音データを公開するなんて言語道断」といった、よく分からない議論が盛んに行われていました。単に「業務中のセクハラ証拠音声」なんですけどね。

セクハラの証拠音声を相手(セクハラ加害者)に許可を取って、録音するなんて聞いたことないですけど。“報道倫理"こそが最優先というならば、それはブラック企業の理屈そのものです。

結局、あの問題はテレ朝が好きな“神聖な報道"の問題などではなく、単なるテレ朝という企業の“ガバナンス"の問題だったのです。セクハラ後の初動で、女性記者の相談に上司が適切に対応できなかったのですから。

テレ朝の深夜記者会見でも報道局長が出てきて、“報道とセクハラ"が整理しきれていない玉虫色の発言をしていました。

そもそも企業ガバナンスの問題なのに、なぜ報道局長なのでしょうか。結論を言うならば、テレ朝は自社の女性記者を守れなかった。そして、そんな無反省な企業が3年後につくった、見事な炎上CMというのが個人的感想です。

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執筆者

東京都出身。元会社員。成蹊大学経済学部卒業後、バブル期に広告企画制作プロダクションのフロムガレージ(現DGグループの前身)に入社。その後、転職を繰り返しながら主にBtoB企業のプロモーション企画制作に従事。また編集プロダクションで書籍・ムックの編集・ライティングに携わる。近年では、LCA関連の環境ラベル「CFP(カーボーンフットプリント)」の制度試行事業(経産省)下での広報業務にも従事。最近は、フリーの編集者・ライターとして主にIT分野を中心に活動中。主な書籍関連実績:『高学歴貧困女子が読み解くピケティ』(責任編集/笠倉出版社)、『ロックの教科書』(共著/笠倉出版社)