脱サラや転職に対して慎重になる人が増加

また、パート・アルバイトを除いた有職者(660人)に、フリーランスや転職についての考え方を聞いたところ、「いつかはフリーランスとして働きたい」と考えている人の割合は28.3%(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計、以下同)、「いつかは転職したい」と考えている人の割合は43.8%でした。

いつかはフリーランスとして働きたいと考えている人の割合は、男性が前回調査より7.1ポイント減少(36.6%→29.5%)、女性では前回調査より1.7ポイント減少(27.9%→26.2%)しています。

また、いつかは転職したいと考えている人の割合においては、男性が前回調査より2.3ポイント減少(43.0%→40.7%)、女性では前回調査より8.1ポイント減少(57.5%→49.4%)となりました。

フリーランスなどの個人事業主は今回の新型コロナウイルスの影響を大きく受けていることから、企業の後ろ盾があるサラリーマンからフリーランスに転向するマイナス面を、改めて考えさせられた人が多かったのかもしれません。

同時にコロナ禍で採用が減少し、即戦力となる専門性の高い人材が求められています。コロナ前より転職のハードルが高くなったことが転職を慎重に考える人が増えた一因になっているといえるでしょう。

まとめ:時代の変化に翻弄される世代?

30代・40代の貯蓄額は昨年より増加していますが、100万円以下しか貯蓄がない人が5割を超えているという現実は、この世代の将来に暗い影を投げかけています。

政府が「男女共同参画社会」を唱える反面、保育園などの育児環境が十分とはいえない現状では、男性も女性も働いて収入を得ることに少なからず重圧を感じているのではないでしょうか。格差が広がる一方で、働き方や価値観が大きく変わりつつあるある中、最もその変化に揺さぶられているのがこの世代なのかもしれません。

参考資料

中野 令子