人為的二酸化炭素排出、人類最初の化学反応は火を使った燃焼

人類は火山の爆発や山火事によって初めて火の存在を知ったのでしょうか。その後、火を使って木や草を燃焼させエネルギーを獲得してきました。これは人類最初の化学反応です。

木や草は炭素を骨格とした有機化合物からできていますので、燃やせばCO2が発生します。この燃焼という化学反応は現在でも行われており、重要なエネルギー獲得手段になっているのは周知の通りです。

そして人類は、新しい文明を造るのに必要なエネルギーを獲得するため、有機化合物からできている石炭・石油・天然ガスといった化石燃料を大量に燃やし、地球化学的循環や生物学的循環に比べて微々たる短期間、過去200年の間に、一方的にCO2を排出してきました。

この人為的に排出されたCO2をリサイクルする術を(注2)、人類は不幸にも未だに持ち合わせていません。そのため、CO2は大気中に溜まる一方です。

CO2は温室効果ガスの一つであり、地球温暖化や気象変動の原因となっていることは広く知られています。では、CO2はどのように削減すればいいのでしょうか。

(注2)CO2のリサイクル法の一つである人工光合成については、前回記事『「人工光合成」で実現する究極の再生可能エネルギー。その仕組みとは』をご参照ください。

二酸化炭素そのものを直接回収するには

今、注目を集めているのは、化石燃料をできるだけ使わない、あるいは再生エネルギーの活用などの間接的削減ではなく、CO2そのものを直接回収して削減する技術です。