JFEエンジニアリング株式会社
2021年1月20日、JFEエンジニアリングは、清掃工場(三鷹市と調布市が整備したクリーンプラザふじみ)から排出される排ガスからCO2を回収して利用するCCU(Carbon Capture and Utilization、二酸化炭素回収利用)プロセスの実証実験を開始すると発表しました。
このプラントのCO2吸収方法も、天然ガスプラント建設等で実績のあるアミン吸収法です。CO2回収を清掃工場に適用すると、ごみに含まれるバイオマス分を合わせた「ネガティブカーボン(CO2回収量>排出量)」を達成することが可能になります。
日揮株式会社
日揮は、セラミック製のゼオライト膜を活用したCO2分離・回収技術の実証試験を米国テキサス州で開始しています。日本ガイシと共同開発したゼオライト膜は1ナノメートル(10億分の1メートル)以下の微細な穴を多く持つのが特長で、ちょうどCO2を通す大きさなので、原油生産時に出てくるメタンなど他のガスから分離することができます。
まとめ:人工的二酸化炭素循環に向けて
以上、大気中に排出された、あるいは排出される前のCO2を直接回収する技術について紹介しました。この手法は、自然界のCO2循環の人工版となりうるもので、今後の発展が期待されます。
次回の記事では、回収されたCO2の利用について、より革新的な技術を紹介します。
参考資料
- J-STORE 空気由来の二酸化炭素の吸収剤及び発生剤(稲垣冬彦、特願2016-147414)
- 地球環境産業技術研究機構(RITE)化学研究グループ CO2回収技術高度化事業(固体吸収材等研究開発事業)
- 苫小牧市 企業立地ガイド 苫小牧におけるCCS大規模実証試験
- JFEエンジニアリング株式会社ニュースリリース 清掃工場の排ガスからCO2を回収する実証実験を開始 ~CO2回収提案の標準化(JFE CCU-Ready)。
- 日揮ホールディングス株式会社ニュースリリース DDR型ゼオライト膜によるCO2分離・回収プロセスの実証試験を開始
和田 眞