【4月支給前に確認】60歳~89歳の平均年金月額はいくら?国民年金・厚生年金の実態を年代別にチェック
年金受給世代の「終活」実態も解説|人生後半を安心して過ごすための準備とは
Akio Miki JP/shutterstock.com
3月は年度替わりを前に、家計や老後資金を見直す人が増える時期です。
特に、来月4月の年金支給日を控え、「自分の年金額は平均と比べてどうなのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
日本の公的年金制度は、日本年金機構が運営し、国民年金と厚生年金の2階建て構造となっています。
本記事では、60歳~89歳の平均年金月額を年代別に整理するとともに、終活の実態にも触れながら、これからの生活設計を考えるヒントを解説します。
1. 【人生後半の備え】シニア世代の終活事情と準備のポイント
長寿化が進むなか、老後や自身の死後を見据えて行う「終活」への関心は高まりつつあります。
2025年7月にNPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)が公表した「第2回終活意識全国調査報告書【確定版】」では、20~89歳の男女2052人のうち、「終活」という言葉を知っている人は96.9%に達しました。
2009年に生まれたとされるこの言葉が、社会に広く浸透していることがうかがえます。
ただし、終活に対する印象はいまだに「亡くなった後に備える準備」といった側面が強く、70歳代以上でも約7割がそのように捉えています。
「人生後半を前向きに過ごすための準備」として認識する人も増えてきているものの、依然としてネガティブなイメージを上回るまでには至っていない状況です。
1.1 終活を始める際は、まずエンディングノートの作成から
老後資金の準備から、具体的な終活の行動へと踏み出すうえで知っておきたいのがエンディングノートです。
同報告書によると、「エンディングノート」という言葉を知っている人は全体の84.3%にのぼります。
しかし、実際に行動に移しているかどうかには世代間で大きな差が見られます。
エンディングノートを「持っている」人の割合、さらにその中で「記入している」人の割合を年齢別に確認してみましょう。
【年代別】エンディングノート「認知度・所有率・実行率」
- 20歳代
- 聞いたことがある:60.7%
- 持っている:6.3%
- 30歳代
- 聞いたことがある:74.1%
- 持っている:5.2%
- 40歳代
- 聞いたことがある:85.3%
- 持っている:7.5%
- 50歳代
- 聞いたことがある:86.6%
- 持っている:8.5%
- 60歳代
- 聞いたことがある:92.5%
- 持っている:16.0%
- 70歳代以上
- 聞いたことがある:93.9%
- 持っている:24.2%
エンディングノートを「知っている人」の割合は年齢が高くなるほど上昇し、60歳代以上では9割を超えています。
一方で、実際に「持っている人」の割合は70歳代以上が24.2%で最も高く、50歳代以下では一桁台にとどまっています。
終活が、差し迫った課題になりにくい若い世代では、こうした傾向も自然といえるでしょう。
また、エンディングノートを所持している人のうち、実際に記入している人の割合は年齢とともに低下し、70歳代以上では50.6%と最も低い結果となりました。
高齢になるにつれて記載内容が増えることや、健康面・認知面の影響などにより、書き進めることが難しくなる場合もあると考えられます。
エンディングノートの利点は、墓や葬儀、家族信託、生前贈与といった複雑な手続きを伴う準備とは異なり、自分一人で気軽に始められる点にあります。
金融資産やデジタル資産の整理に向けた最初の一歩として、エンディングノートを書き始めることは有効な方法の一つといえるでしょう。
【調査概要】NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)第2回終活意識全国調査報告書【確定版】(2025年7月)
- 調査目的 :高齢社会における終活意識の実態を明らかにし、個人が豊かで安心した人生後半期を送るための支援策や啓発活動に役立てる
- 調査対象 :20~89歳の男女
- 調査地域 :全国
- 調査方法 :インターネットリサーチ
- 調査時期 :2024年12月4日(水)~12月6日(金)
- 回答者数 :2052名
- 割付方法 :人口構成比割付(令和2年国勢調査の性年代別人口比率に基づく)
- 調査委託先 :株式会社マクロミル
著者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部 公開室
元・厚生労働省担当記者(社会保障専門紙)
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場IT企業での法人営業を経て、厚生労働省記者クラブに所属する行政・自治体向けの社会保障専門紙記者として活動。
現在は「公的社会保障制度(年金・医療・介護)」の仕組みと、「私的資産形成(NISA・iDeCo)」の税制優遇制度を横断的に分析し、生活者のための家計防衛術を提供する編集者として活動している。
各省庁が公表する難解な一次情報(e-Gov法令検索の条文データや、総務省統計局の家計調査など)を読み解き、現役世代からシニア層までを対象に、事実に基づいた実用的な解説記事を継続的に執筆している。
このほか、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも情報を発信している。
【経歴・専門性】
前職の専門紙記者時代には、厚生労働省本省および各地方自治体(保険者)を直接取材対象とし、現場の最前線で以下の重要政策の決定プロセスと一次情報に触れてきた。
これらの政策取材を通じ、「制度の複雑化が引き起こす、生活者のサイレントな不利益(申請漏れや制度の不知による経済的損失)」の構造を実務レベルで把握。役所の論理で構築された難解な制度設計を、IT企業時代に培ったデータ分析手法と掛け合わせることで、客観的指標(平均値ではなく中央値を用いた実態把握など)に基づく解説記事を執筆している。
【具体的な実績・保有資格・メディア掲載歴】
公的機関の一次データに依拠した客観的な記事執筆により、Yahoo!ニュース「経済ランキング」において多数の1位を獲得。具体的な執筆・担当領域における実績は以下の通りである。
- 公的年金・給付金領域:日本年金機構の公表資料に基づく「在職老齢年金による支給停止基準」や「年金生活者支援給付金の受給要件」の解説。また、国税庁のガイドラインに沿った定額減税や各種給付金の対象者判定フローの実務的整理。
- 医療・介護保険領域:高額療養費制度などの自己負担限度額の算出方法や、公的保障のセーフティネット範囲の図解解説。
- 資産運用領域:金融庁のNISA特設サイトや、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)のデータに基づく税制優遇メリットの数値化。特定の金融商品の購入推奨は行わず、公的年金の不足分を補うための長期積立投資の制度整理に特化。
- 貯蓄・家計管理領域:家計調査などの官公庁統計データに基づいた、年代別・世帯年収別の貯蓄実態の論理的解説、およびインフレ時代におけるリスク管理手法の情報提供。
- 保有資格・実務知見:東京商工会議所 ビジネスマネジャー検定試験®合格。上場企業での実務経験と当資格で培った「組織マネジメント」や「コンプライアンス・リスク管理」の視点を個人の家計防衛に転用し、ビジネスパーソンが納得できる論理的な解説の裏付けとしている。
【読者へ提供する価値と発信理念】
「役所の論理ではなく、生活者の視点で制度を翻訳する」ことを発信の基本理念としている。
複雑怪奇な社会保障制度においては、制度を知らないこと自体が直接的な経済的損失に直結する。この情報非対称性を是正し、「知っていれば救われたはずの人が損をする現状をゼロにする」ことが現在の活動における最大のミッションである。
そのため、記事執筆にあたっては個人の主観や推測、投資推奨は避ける。
そのうえで、読者の生活や資産に影響を与える領域であることを自覚し、読者が「国に頼りすぎず、国を賢く利用する」ための正確で安全な判断材料を提供し、生活者とその家族を守るための実用的な知見を届け続けている。
(2026年7月13日更新)