7月に入り、夏のボーナスの支給額を確認し、貯蓄や旅行など使い道を考えている人も多いのではないでしょうか。
帝国データバンクの調査によると、2026年夏のボーナスは前年より増える企業が4割弱となり、正社員1人当たりの平均支給額も前年を上回りました。
一方で、ボーナスは企業業績や景気の影響を受けやすく、毎年同じ金額を見込めるとは限りません。
本記事では、2026年夏のボーナス動向を確認したうえで、部長・課長・係長といった中間管理職の平均賃金や試算年収、管理職として働くうえでのやりがいと負担を見ていきます。
1. 【2026年夏のボーナス】前年より増える企業が37.1%。平均支給額は約47万円
まずは、2026年夏のボーナス支給見込みを確認してみましょう。
帝国データバンクの「2026年夏季賞与の動向アンケート」によると、従業員1人当たりの平均支給額について「増加する」と回答した企業は37.1%でした。
前年から3.4ポイント上昇しており、ボーナスを増やす企業がやや増えていることがわかります。
1.1 2026年夏のボーナス支給状況
- 賞与はあり、増加する:37.1%(前年比+3.4ポイント)
- 賞与はあり、変わらない:37.2%(前年比+0.2ポイント)
- 賞与はあるが、減少する:10.7%(前年比▲1.3ポイント)
- 賞与はない:11.0%(前年比▲2.0ポイント)
「増加する」と「変わらない」を合わせると、7割超の企業が前年並み以上の支給を見込んでいます。
ただし、企業規模によって見通しには差があります。「賞与はあり、増加する」と回答した割合は、大企業で44.4%となっており、全体の37.1%を7.3ポイント上回る水準です。
一方、中小企業は36.0%、小規模企業は31.4%にとどまりました。規模が小さい企業ほど、ボーナス増加にはやや慎重な姿勢がみられます。
支給額をみると、正社員1人当たりの平均支給額は47万7000円となっており、前年より1万8000円増加しています。
金額帯別では「30万~50万円未満」が37.0%と最多。次いで「50万~75万円未満」が26.2%、「15万~30万円未満」が19.4%となっています。
2. 【中間管理職】部長・課長・係長の平均賃金はいくら?
毎月の固定給を高める方法のひとつに、役職に就くことがあります。では、部長・課長・係長といった中間管理職になると、賃金はどのくらい変わるのでしょうか。
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」から、役職別の平均賃金と平均年齢を確認します。
2.1 《中間管理職の平均賃金》
【部長級】
- 男女計: 賃金 63万5800円、平均年齢 53.1歳
- 男性: 賃金 64万2400円、平均年齢 53.1歳
- 女性: 賃金 57万8300円、平均年齢 53.0歳
【課長級】
- 男女計: 賃金 52万9200円、平均年齢 49.5歳
- 男性: 賃金 54万1400円、平均年齢 49.5歳
- 女性: 賃金 47万300円、平均年齢 49.4歳
【係長】
- 男女計: 賃金 39万9200円、平均年齢 45.4歳
- 男性: 賃金 41万900円、平均年齢 45.3歳
- 女性: 賃金 36万5700円、平均年齢 45.7歳
男女計で見ると、部長級の賃金は63万5800円、課長級は52万9200円、係長級は39万9200円です。
非役職者と比べると、部長級は約2倍、課長級は約1.7倍、係長級は約1.3倍となっており、役職が上がるほど、毎月の賃金にも大きな差が出ることがわかります。
2.2 【中間管理職】平均年収を試算
次に、前述の月額賃金をもとに、賞与を年4か月分と仮定して年収を試算します。
- 部長級:約1017万円
- 課長級:約847万円
- 係長級:約639万円
- 非役職者:約497万円
※年収試算は「月額賃金×16か月(賞与含む)」で計算しています。実際の年収は、賞与額・残業代・各種手当・企業規模・業種などによって異なります。
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円、男女別に見ると、男性は587万円、女性は333万円となっています。
この平均給与と比べると、部長級や課長級の試算年収は高い水準です。一方、役職者の賃金は「所定内給与額」がベースであり、国税庁の平均給与とは調査対象や集計方法が異なります。あくまで目安として見ておきましょう。
3. 【中間管理職】やりがいはある一方、業務負荷の重さも課題に
中間管理職は、部下の育成や上層部との調整、チーム全体の成果管理など、多くの役割を担う立場です。
責任の重さから負担を感じやすい一方で、管理職の仕事にやりがいを見出している人も少なくありません。
リクルートマネジメントソリューションズ「管理職のあり方に関する実態調査」によると、現在管理職である人に「今後も管理職を続けたいか」と尋ねたところ、「続けたい」「どちらかといえば続けたい」を合わせて約6割が、今後も管理職として働く意向を示しました。
管理職を続けたい理由として多かったのは、「やりがい」に関する回答です。
部下の成長を支えられることや、組織の成果に関われることが、管理職を続ける意欲につながっていると考えられます。
また、自分に管理職の仕事が合っていると感じる「適性・向き不向き」や、一定の判断を任される「権限・裁量」も理由として挙げられました。
一方で、管理職を続けたくない理由では「業務負荷」が多くみられます。
同調査では、「勤務時間外に電話・メールなどで仕事関係の連絡をとる」と回答した割合が、一般社員の41.0%に対し、管理職では56.4%でした。
さらに、管理職では「勤務時間外に仕事をする」が48.4%、「本来は仕事が休みの日に仕事をする」が38.8%となっています。
管理職は、非役職者より収入が高くなりやすい立場です。
ただし、給与が上がる一方で、業務量や時間外対応が増えやすい点には注意が必要でしょう。
4. まとめにかえて
2026年夏のボーナスは、前年より増加を見込む企業が4割弱となり、正社員1人当たりの平均支給額も前年を上回りました。
ただし、企業規模や業績によって差があるため、ボーナスを毎年同じように受け取れるとは限りません。
固定給を高める方法のひとつに、係長・課長・部長といった役職に就くことがあります。実際に、役職が上がるほど平均賃金は高くなる傾向があり、年収面でも非役職者との差は大きくなります。
一方で、管理職は収入面のメリットだけでなく、業務負荷や時間外対応の増加といった課題も抱えやすい立場です。
キャリアを考える際は、給与だけでなく、やりがいや働き方、自分に合った役割かどうかも含めて判断していきましょう。
参考資料
- 帝国データバンク「2026年夏季賞与の動向アンケート」
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 役職別」
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
- リクルートマネジメントソリューションズ「管理職のあり方に関する実態調査」
加藤 聖人